アルバイトを探す際、多くの人が「時給の高さ」や「シフトの融通」を重視しますが、実際に働き始めてから「こんなにきついとは思わなかった」と後悔するケースは少なくありません。

仕事の「きつさ」は、体力的な消耗だけでなく、対人関係や責任の重さ、環境の過酷さなど、さまざまな要因が絡み合っています。

せっかく始めたアルバイトをすぐに辞めてしまうのは、自分にとっても採用側にとっても大きな損失です。

自分にとって何が許容できて、何が耐えられないのかを事前に把握しておくことは、長く健やかに働くための不可欠なステップといえるでしょう。

本記事では、一般的に「きつい」と言われる職種をランキング形式で紹介し、それぞれの具体的な理由と、後悔しないための選び方を詳しく解説します。

アルバイトの「きつい」を構成する要素とは

アルバイトを「きつい」と感じる理由は人それぞれですが、大きく分けると「肉体的負担」「精神的負担」「環境的要因」の3つの軸が存在します。

まずは、自分がどの要素に対して敏感なのかを整理してみましょう。

肉体的負担:体力の限界を試される現場

肉体的なきつさは、重い荷物を運ぶ、長時間立ち続ける、あるいは絶え間なく動き回ることで生じます。

若いうちは体力でカバーできることも多いですが、連勤が続くと足腰へのダメージや慢性的な疲労蓄積につながります。

精神的負担:人間関係やプレッシャー

精神的なきつさは、主に「対人ストレス」と「責任の重さ」から来ます。

理不尽なクレーム対応、複雑な業務内容、ミスの許されない緊張感などは、目に見えない疲労として心に蓄積していきます。

「接客が苦手な人が接客業を選ぶ」といったミスマッチが起きると、この負担は倍増します。

環境的要因:過酷な現場条件

夏場の屋外や冬場の冷凍倉庫、あるいは騒音が激しいパチンコ店など、働く「場所」そのものがきついケースです。

また、深夜勤務や早朝勤務といった生活リズムを崩しやすいシフト構成も、長期的に見ると大きな負担となります。

バイトできつい職種ランキング15選

ここからは、口コミや離職率、業務内容の過酷さを総合的に判断し、一般的に「きつい」とされるアルバイトをランキング形式で紹介します。

順位職種名主なきつさの要因
1位引越し作業員圧倒的な肉体疲労・怪我のリスク
2位コールセンター(受信)精神的ストレス・クレーム対応
3位ファストフード圧倒的なスピード感・マルチタスク
4位居酒屋酔客対応・深夜労働・体力消耗
5位コンビニ(深夜・ワンオペ)業務の多様性・防犯上の不安
6位土木・建設現場軽作業屋外作業・天候の影響・体力
7位デリバリースタッフ交通事故リスク・悪天候時の稼働
8位警備員(交通誘導)立ちっぱなし・孤独・天候
9位倉庫内軽作業・仕分け単純作業の繰り返し・空調環境
10位介護助手身体的負担・高い責任感
11位塾講師・家庭教師予習の負担・成績へのプレッシャー
12位キャンペーン・営業販売ノルマのプレッシャー・拒絶の心理
13位飲食店キッチン高温環境・スピード・衛生管理
14位ゲームセンター騒音・トラブル対応・清掃
15位ホテル清掃(客室)時間制限の厳しさ・徹底的な肉体労働

1位:引越し作業員

「肉体労働の王様」とも言えるのが引越しバイトです。

時給は高い傾向にありますが、その分、要求される運動量は他の職種の比ではありません。

きつい理由

引越し作業のきつさは、単に重い荷物を持つことだけではありません。

冷蔵庫や洗濯機といった重量物を、エレベーターのないマンションの階段で運ぶ際の負荷は相当なものです。

また、家具や建物を傷つけてはいけないという緊張感も常に付きまといます。

繁忙期である3月〜4月は、1日に何件も現場を回るため、休憩時間が満足に取れないことも珍しくありません。

向いている人・メリット

  • 短期間で一気に稼ぎたい人
  • 筋トレを兼ねて働きたい人
  • チームワークを大切にできる人

2位:コールセンター(受信)

「座ってできる仕事だから楽そう」というイメージを抱きがちですが、実際は精神的消耗が激しい職種です。

きつい理由

主なストレス源は、お客様からのクレームです。

特に大手企業のカスタマーセンターでは、システムへの不満や怒りを直接ぶつけられることが多く、自分の非ではないことで謝り続けなければなりません。

また、応対品質を常にモニタリングされており、保留時間や通話時間の短縮を求められることもプレッシャーとなります。

向いている人・メリット

  • 感情を切り離して仕事ができる人
  • 高いコミュニケーション能力を磨きたい人
  • 綺麗なオフィスで快適な温度環境で働きたい人

3位:ファストフード

ファストフード店は、初心者向けと思われがちですが、実は極めて高度なマルチタスクが求められます。

きつい理由

ランチタイムやディナータイムの「ピーク時」の忙しさは戦場のようです。

レジ接客を行いながら、ドリンクを作り、ポテトの揚がり具合を確認し、デリバリーの準備も進める必要があります。

1秒単位のスピードが求められるため、動作が遅いと周囲からの視線も厳しくなりがちです。

向いている人・メリット

  • テキパキと動くのが好きな人
  • 忙しい状況をゲーム感覚で楽しめる人
  • マニュアルが完備された環境で働きたい人

4位:居酒屋

深夜までの営業が多く、体力と精神力の両方が削られる仕事です。

きつい理由

お酒が入ったお客様を相手にするため、絡まれたり無理な注文をされたりすることが日常茶飯事です。

また、重いジョッキや料理を何皿も持って店内を駆け回るため、足腰への負担も無視できません。

タバコの煙や油の匂いが服につくこと、生活リズムが夜型になることもデメリットとして挙げられます。

向いている人・メリット

  • お祭り騒ぎや賑やかな雰囲気が好きな人
  • 接客を通じて活気をもらいたい人
  • まかない(食事補助)を重視する人

5位:コンビニ(深夜・ワンオペ)

近年のコンビニバイトは、公共料金の支払い、宅配便の受付、チケット発券、ホットスナックの調理など、業務範囲が膨大です。

きつい理由

特に深夜時間帯の「ワンオペ(1人勤務)」は過酷です。

客数が少ない時間に、大量の納品商品の品出し、什器の清掃、賞味期限チェックを一人でこなさなければなりません。

防犯面でのリスクもあり、酔っ払いへの対応や万引きへの警戒など、常に緊張感を強いられます。

向いている人・メリット

  • 一人で黙々と作業を進めるのが得意な人
  • 多種多様な業務を覚えるのが苦にならない人
  • 深夜手当で効率よく稼ぎたい人

6位:土木・建設現場軽作業

主に工事現場での資材運びや清掃、手元作業を行う仕事です。

きつい理由

最大の敵は「天候」です。

炎天下での作業は熱中症のリスクがあり、冬場の極寒の中での作業は体の感覚がなくなるほどです。

また、現場は安全第一ですが、一歩間違えれば大きな事故につながる危険な場所でもあります。

体力的な消耗が激しく、翌日まで疲れが残ることも多いです。

向いている人・メリット

  • 現場が完成していく達成感を味わいたい人
  • 規則正しい生活(早寝早起き)をしたい人
  • 日払い制度がある現場で即金を得たい人

7位:デリバリースタッフ

フードデリバリーサービスの普及により需要が高まっていますが、特有のきつさがあります。

きつい理由

雨の日や風の強い日、雪の日こそ注文が増えるため、悪天候の中で運転し続ける過酷さがあります。

また、常に事故のリスクと隣り合わせであり、時間内に届けなければならないという焦りが事故を誘発することもあります。

スマホの地図を見ながら知らない土地を走るため、精神的な疲労も意外と大きいです。

向いている人・メリット

  • 運転が好きな人
  • 一人でのびのびと働きたい人
  • 隙間時間を有効活用したい人

8位:警備員(交通誘導)

工事現場や駐車場で車や歩行者を誘導する仕事です。

きつい理由

「ただ立っているだけ」と思われがちですが、それが一番の苦痛になることがあります。

数時間、同じ場所に立ち続けることは足腰に大きな負担をかけます。

また、夏は暑く冬は寒いという環境に加え、誘導に従わない運転手から暴言を吐かれることもあります。

「時間の経過が非常に遅く感じる」という精神的なきつさが特徴です。

向いている人・メリット

  • 忍耐力があり、じっとしているのが苦ではない人
  • 複雑な人間関係を避けたい人
  • 高齢になっても続けられる仕事を探している人

9位:倉庫内軽作業・仕分け

ネット通販の拡大により、募集が非常に多い職種です。

きつい理由

広い倉庫内を1日に数万歩歩き回る「ピッキング」や、ベルトコンベアから流れてくる荷物をひたすら仕分ける作業は、単調すぎて精神的にくるものがあります。

また、倉庫内は空調が効きにくい構造が多く、夏場はサウナ状態、冬場は冷蔵庫状態になる現場も少なくありません。

向いている人・メリット

  • 単純作業を正確にこなすのが得意な人
  • 接客を一切したくない人
  • 自分のペースで黙々と働きたい人

10位:介護助手

資格がなくても始められる「助手」の仕事ですが、現場は常に人手不足でハードです。

きつい理由

食事介助や入浴介助、排泄介助など、利用者の体に直接触れる業務が含まれます。

中腰での作業が多く、腰痛に悩まされる人が後を絶ちません。

また、人の命を預かっているという責任の重さや、認知症の方への対応など、精神的なタフさも求められます。

向いている人・メリット

  • 人の役に立っていると実感したい人
  • 将来的に介護の資格取得を目指している人
  • コミュニケーションを大切にできる人

11位:塾講師・家庭教師

時給は高いですが、授業時間外の負担が盲点となります。

きつい理由

授業のための予習や資料作成、報告書の記入など、給与が発生しない時間(コマ外業務)が発生しがちです。

また、生徒の成績が上がらないと保護者からプレッシャーをかけられることもあります。

自分の教え方が生徒の人生を左右するという責任感は、想像以上に重くのしかかります。

向いている人・メリット

  • 教えることが好きで、得意科目がある人
  • プレゼンテーション能力を鍛えたい人
  • 高時給な短時間労働を希望する人

12位:キャンペーン・営業販売

サンプリング(ティッシュ配り)や、店頭でのカード入会促進などの仕事です。

きつい理由

「無視されること」に耐えなければなりません。

どれだけ笑顔で声をかけても、ほとんどの人に素通りされる状況は、自己肯定感を削ります。

また、獲得件数の目標(ノルマ)が設定されている現場では、数字が上がらないとチーフから厳しく指導されることもあります。

向いている人・メリット

  • 初対面の人と話すのが苦にならない人
  • 営業スキルを身につけたい人
  • メンタルを強く鍛えたい人

13位:飲食店キッチン

ホールの影で、店の味とスピードを支えるポジションです。

きつい理由

厨房内は火を使うため非常に高温になります。

また、大量の注文をさばくために、常に時間に追われながら正確な調理が求められます。

洗い場担当になると、手荒れがひどくなることも多いです。

ホール以上に「上下関係」が厳しい現場もあり、職人気質な雰囲気に馴染めないときつく感じます。

向いている人・メリット

  • 料理スキルを向上させたい人
  • 表舞台に出るより裏方で支えるのが好きな人
  • 効率的な動きを追求するのが得意な人

14位:ゲームセンター

華やかな印象ですが、トラブル対応の多い現場です。

きつい理由

常に大音量のBGMや効果音が流れているため、耳への負担が大きいです。

また、クレーンゲームの景品設定への不満、メダルゲームでのトラブル、深夜帯の不良対応など、客層に起因するストレスが多くあります。

店内が広いため、巡回や清掃で意外と歩き回ります。

向いている人・メリット

  • ゲームが好きで、最新の景品に興味がある人
  • 接客と作業のバランスが良い仕事をしたい人
  • 賑やかな環境が好きな人

15位:ホテル清掃(客室)

チェックアウトから次のチェックインまでの短時間で、部屋を完璧に仕上げる仕事です。

きつい理由

とにかく「時間との戦い」です。

1部屋あたりにかける時間が決まっており、ベッドメイキングから水回りの清掃まで、一瞬の無駄も許されません。

重いシーツを扱い、中腰で掃除を続けるため、全身が筋肉痛になります。

誰とも話さず黙々と作業しますが、肉体的な限界を感じやすい職種です。

向いている人・メリット

  • 掃除が好きで、部屋が綺麗になることに喜びを感じる人
  • 運動不足を解消したい人
  • 一人で集中して作業を完結させたい人

働き始めてから「きつい」と後悔しないための選び方

「きつい」と言われる職種でも、本人の適性や目的によっては「最高の職場」になり得ます。

後悔しないためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。

1. 自分の「耐性」を自己分析する

自分が何に一番ストレスを感じるのかを言語化しましょう。

  • 「立ち仕事は4時間が限界だが、クレームには強い」
  • 「体力には自信があるが、数字の目標を負わされるのは嫌だ」
  • 「単純作業は眠くなるので、忙しく動き回るほうがいい」

このように自分の特性を理解していれば、ランキング1位の引越しでも「体を動かしたい自分には合っている」という判断ができます。

2. 事前の「職場見学」を欠かさない

求人票の情報だけで判断するのは危険です。

  • コンビニや飲食店なら、客として訪れて店員の表情や店内の清掃状況を見る。
  • 警備や引越しなら、実際に働いている人の年齢層や動きを遠目から確認する。

「店員が疲れ切っていないか」「怒鳴り声が聞こえないか」をチェックするだけでも、ブラックな職場を避ける確率が格段に上がります。

3. 「目的」と「期間」を明確にする

そのアルバイトを何のためにするのかを明確にします。

  • 「留学費用を貯めるために、3ヶ月だけ引越しで稼ぐ」
  • 「就活で話せるネタを作るために、コールセンターでマナーを学ぶ」

目的と期間が決まっていれば、多少のきつさは「目標達成のためのプロセス」として耐えられるようになります。

逆に、目的が曖昧なまま時給だけで選ぶと、きつさに直面したときにすぐに心が折れてしまいます。

もし「きつい」バイトを選んでしまったら?

どんなに慎重に選んでも、入ってみたら想像と違ったということはあります。

その場合の対処法を知っておくことも大切です。

限界を感じる前に相談する

まずは店長や責任者に、現状の不満やきつさを相談してみましょう。

「シフトを減らしてほしい」「担当業務を変えてほしい」といった要望を伝えることで、環境が改善される可能性があります。

無理をして心身を壊さない

アルバイトはあくまで生活を豊かにするための手段であり、人生の目的ではありません。

  • 朝起きたときに涙が出る
  • 仕事のことを考えると動悸がする
  • 十分な睡眠をとっても疲れが取れない

このようなサインが出ている場合は、早めに退職を検討しましょう。

責任感から無理に続ける必要はありません。

適切な手順を踏めば、退職は正当な権利です。

まとめ

アルバイトには、どのような職種であっても多かれ少なかれ「きつさ」が存在します。

引越し作業のように全身を酷使する肉体的なきつさもあれば、コールセンターのように精神を磨り減らすきつさもあります。

大切なのは、世間的なランキングに惑わされるのではなく、自分の適性と職種の特徴を照らし合わせることです。

自分が大切にしたい価値観(お金、経験、楽さ、人間関係など)を明確にし、事前のリサーチを徹底することで、あなたにとって「続けられる、良いバイト」に出会える可能性は高まります。

「きつい」という経験も、自分に合う環境を知るための貴重なデータになります。

もし今の仕事が合わないと感じているなら、この記事を参考に、次は自分の強みを活かせるフィールドを探してみてください。