全国の主要都市や駅ナカでよく見かける「プロント(PRONTO)」は、昼はカフェ、夜はサカバ(酒場)という2つの顔を持つ非常にユニークなチェーン店です。
そのおしゃれな雰囲気や利便性の高さから、アルバイト先としても常に高い人気を誇っています。
しかし、ネット上やSNSでは「プロントのバイトはきつい」「覚えることが多すぎる」といった声が散見されるのも事実です。
これからプロントでバイトを始めようと考えている方にとって、実際の業務内容や大変さは最も気になるポイントではないでしょうか。
この記事では、プロントのバイトがなぜ「きつい」と言われるのか、その理由を深掘りするとともに、他店にはない魅力や働くメリットについても詳しく解説します。
プロントのバイトが「きつい」と言われる最大の理由:二面性(ダブルフェイス)
プロントの最大の特徴は、「カフェ」と「サカバ」という2つの異なる業態を1つの店舗で運営している点にあります。
これが、働くアルバイトスタッフにとって最大のハードルであり、きついと感じる根源となっています。
通常、飲食店でのアルバイトは、カフェならカフェ、居酒屋なら居酒屋のメニューや接客スタイルを覚えれば済みます。
しかし、プロントの場合は、時間帯によって提供するメニューも、接客のスタイルも、さらには店内の雰囲気までもがガラリと変わります。
午前中から昼過ぎまでは、本格的なコーヒーやパスタ、ケーキを提供する「カフェタイム」です。
ここではスピード感のある提供と、落ち着いた空間作りが求められます。
一方で、夕方以降は「キッサカバ(喫茶酒場)」というブランド名称に象徴されるような、アルコールやおつまみを中心とした賑やかな空間へと変貌します。
スタッフは、この2つの業態における膨大なメニュー数とオペレーションの違いをすべて把握しなければなりません。
これが「プロントのバイトは覚えることが2倍ある」と言われる理由です。
カフェタイムとサカバタイムの主な違い
プロントでの働き方を理解するために、昼と夜でどのような違いがあるのかを以下の表にまとめました。
| 項目 | カフェタイム(昼) | サカバタイム(夜) |
|---|---|---|
| 主な提供メニュー | コーヒー、紅茶、パスタ、パン、スイーツ | ビール、ハイボール、サワー、おつまみ、揚げ物 |
| 接客スタイル | カウンターでの注文・会計が中心(セルフ式) | 席での注文伺い、配膳、下げ膳(フルサービス寄り) |
| 客層 | 会社員、ノマドワーカー、主婦、学生 | 仕事帰りのグループ、ちょい飲み客 |
| 店内の雰囲気 | 静かで落ち着いた、集中できる空間 | 賑やかで活気のある、社交的な空間 |
| 主な業務 | ドリンク作成、パスタ調理、レジ対応 | カクテル作成、調理、ホール巡回、片付け |
このように、1日の間に「カフェ店員」と「居酒屋スタッフ」の両方のスキルが求められるため、器用さと柔軟な切り替え能力が必要となります。
カフェタイムにおける具体的な業務ときつさ
カフェタイムのプロントは、主にビジネスパーソンの憩いの場やランチスポットとして機能します。
ここでの「きつさ」は、主に「スピード感」と「調理のマルチタスク」に集約されます。
出勤ラッシュとランチタイムの激務
駅チカの店舗が多いプロントでは、朝の通勤時間帯と昼のランチタイムに驚異的な客数が押し寄せます。
朝は「モーニングセット」を注文する顧客が絶えず、レジとドリンク作成の連携が1秒でも遅れると、あっという間に長蛇の列ができてしまいます。
ランチタイムはさらに過酷です。
プロントの人気メニューである「パスタ」の注文が重なるため、キッチン担当は複数のパスタを同時に茹で、ソースと絡め、盛り付ける作業を分単位でこなさなければなりません。
パスタのクオリティを維持しながら、いかに素早く提供できるかが勝負となります。
本格的なカフェ業務の習得
プロントのドリンクメニューは多岐にわたります。
エスプレッソマシンの操作はもちろん、季節ごとの期間限定ドリンクや、きめ細やかなミルクの泡立て(スチーミング)など、覚えるべきレシピと技術的な工程が非常に多いのが特徴です。
また、パンの陳列やサンドイッチの作成、ケーキの盛り付けなど、見た目の美しさも求められるため、丁寧さと迅速さを両立させる必要があります。
サカバタイム(キッサカバ)における具体的な業務ときつさ
夕方17時を過ぎると、店内は「サカバ」へと切り替わります。
照明が少し落とされ、BGMも賑やかなものに変わり、提供するメニューもアルコール中心となります。
アルコールメニューとサーバーの取り扱い
サカバタイムでは、ビールサーバーやハイボールサーバーを使いこなし、最適な比率でドリンクを作る必要があります。
特にプロントは「ザ・プレミアム・モルツ」の神泡にこだわっているため、綺麗な泡の比率でビールを注ぐ技術は必須です。
また、サワーやカクテルの種類も豊富で、それぞれのグラスの種類やトッピング、混ぜる回数などが決まっており、カフェメニューとは全く別の記憶力が試されます。
接客スタイルの変化と客層への対応
カフェタイムはセルフサービスが基本ですが、サカバタイムではお客様の席まで注文を取りに行き、料理を運び、空いたグラスを下げる「ホール業務」の比重が高まります。
お酒が入る場であるため、お客様の声が大きくなったり、オーダーが重なったりすることも頻繁にあります。
時には酔ったお客様への適切な対応を求められることもあり、精神的なタフさが求められる場面も少なくありません。
また、おつまみメニューの調理(揚げ物や焼き物)も加わるため、キッチンの熱気と忙しさもピークに達します。
プロントのバイトを「大変」と感じるその他の要因
業態の二面性以外にも、プロントならではの苦労が存在します。
厳しいマニュアルと清掃基準
プロントはブランドイメージを大切にしているため、接客マニュアルや衛生管理が非常に徹底されています。
言葉遣いや身だしなみはもちろん、店内の清掃についても細かいチェックリストが存在します。
特にカフェとサカバの切り替え時間帯は、テーブルの拭き上げやメニュー表の差し替え、調味料の補充などを一気に行う必要があり、体力的な消耗が激しい時間帯となります。
POSレジの操作が複雑
メニュー数が多いことに加え、プロントでは各種電子マネーやポイントカード、クーポンなどの決済手段が非常に豊富です。
カフェタイムとサカバタイムでレジのボタン配置が変わることもあり、レジ操作に慣れるまではパニックになりやすいという声も多いです。
混雑時にレジ操作で手間取ると、大きなプレッシャーを感じることになります。
逆にプロントのバイトで得られるメリットと楽しさ
ここまで「きつい」部分に焦点を当ててきましたが、それでもプロントで働く人が絶えないのは、それ以上の魅力やメリットがあるからです。
バリスタとバーテンダーの両方のスキルが身につく
1つのバイト先で、本格的なコーヒーの淹れ方と、アルコール飲料の作り方の両方を学べる環境は極めて稀です。
「将来カフェを開きたい」「お酒の知識を深めたい」と考えている人にとって、プロントは最高の修行の場となります。
また、接客スタイルも「効率重視」と「おもてなし重視」の両方を経験できるため、コミュニケーション能力が飛躍的に向上します。
賄い(食事補助)が充実している
多くの店舗では、スタッフ特典としてメニューの割引や「賄い」の制度があります。
プロントのパスタはクオリティが高く種類も豊富なため、「美味しいパスタが格安で食べられる」というのは、学生や一人暮らしのフリーターにとって非常に大きなメリットです。
仲間との絆が深まりやすい
プロントの業務は一人では決して完結しません。
ピーク時の激流をチームワークで乗り越える必要があるため、スタッフ同士の連帯感が強くなりやすい傾向にあります。
特に「カフェからサカバへの切り替え」という共通のミッションがあることで、目標を共有しやすく、バイト仲間と親友になるケースも多いようです。
柔軟なシフト制度
店舗にもよりますが、プロントは早朝から深夜まで営業しているため、シフトの自由度が比較的高いです。
- 「午前中だけ働いて午後は大学へ行く」
- 「夕方からのサカバタイムだけで稼ぐ」
- 「土日メインでフルタイム」 : といった、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択できるのも魅力です。
プロントのバイトに向いている人・向いていない人
プロントのバイトが「きつい」と感じるかどうかは、個人の適性に大きく左右されます。
向いている人
- マルチタスクが得意な人: 複数のオーダーを並行してこなし、優先順位を瞬時に判断できる人。
- 変化を楽しめる人: 昼と夜で雰囲気が変わる環境を、飽きずに楽しめる人。
- 接客が好きな人: カフェの穏やかな接客から、サカバの明るい接客まで幅広く対応できる人。
- 効率を追求したい人: 忙しい時間帯をいかにスムーズに回すかにやりがいを感じる人。
向いていない人
- 1つのことに集中したい人: 急激な状況の変化や、多様な業務を同時に覚えるのが苦手な人。
- 静かな環境だけで働きたい人: 夜のサカバタイムの賑やかさやお酒の席の雰囲気が苦手な人。
- 暗記が極端に苦手な人: 膨大なメニューレシピやレジ操作を覚えることに強いストレスを感じる人。
プロントのバイトで「きつい」を乗り越えるためのコツ
もしあなたがプロントでバイトを始めるなら、以下の3つのポイントを意識してみてください。
- 型(マニュアル)
店の
型を完璧に覚える。マニュアル通りの動きを徹底し、自己流は避ける。
基本が身につけば忙しい時でも手が勝手に動くようになる。
- メモの活用
覚えることが多いため、ポケットサイズのメモ帳は必須。
教わったレシピやレジのショートカットキーなどはその場で記録し、休憩時間や帰宅後に復習する習慣をつけると習得スピードが格段に上がる。
- 積極的なコミュニケーション
率先して声をかけること。
例:
「次、何をすればいいですか?」、「これをお願いしてもいいですか?」。周囲の状況を把握しようとする姿勢があれば先輩スタッフもサポートしやすくなり、業務の効率が向上する。
まとめ
プロントのバイトは、確かに他の飲食店と比較しても「覚えることの多さ」と「スピード感」という点において、きつい部類に入るかもしれません。
昼夜で業態が変わるダブルフェイスという特殊なスタイルは、慣れるまでは大きな負担となるでしょう。
しかし、その「きつさ」の裏側には、「カフェ」と「サカバ」の2つのスキルを同時に習得できるという、他のバイトでは得られない大きな成長の機会が隠されています。
高いクオリティのパスタを調理し、完璧な神泡のビールを注ぎ、洗練された接客をこなす。
これらの経験は、単なるアルバイトの域を超え、あなたの将来に役立つ大きな資産になるはずです。
「忙しい方が時間が経つのが早くて好き」「接客のプロを目指したい」「カフェも居酒屋も両方興味がある」という方にとって、プロントは非常にやりがいのある、刺激的な職場になることは間違いありません。
もしあなたが変化を恐れず、新しいことに挑戦したいと考えているなら、ぜひプロントの門を叩いてみてはいかがでしょうか。






